・1-1 始まりはいつもの日常から
??「ふおぉぉおおお!エレコたん~!エレコたん!めちゃくちゃ可愛いお~!」
隣の部屋から男性の熱烈な愛の言葉が聞こえてくる。
しかし、これは別に自分に対してのセリフではない。画面の中の二次元の少女に対しての愛情だ。
??「いいぞ~!いいぞ~!もっと過激に……過激にいこうか~!」
自分が企画したメガネ型のスマートフォン補助ツール『ウェアラブルグラス』向けに開発したアプリ、
『萌えキュン!エレクトロニックメイド』のマスコットキャラクター、
『エレコ』を産み出したことに、少し後悔を覚える。
??「もっとぉ~……もっとおおおお!」
いくら、マンションの角部屋で隣がいないからって
同居人の事を無視で夜中に叫ぶのはさすがにマズイ……まともに音楽も聴けしない。
??「ぶひいいいいいいい!」
さすがの自分も我慢の限界を超え隣の部屋に乗り込む。
??「市田~……い~ま~は~何時だ~?」
怨念をかけるかのように肉団子見たな巨体の男の背中に語りかける。
市田「ヒィ!…………す、すみません……久米さん……」
肉団子みたいな巨体な男を床に土下座させると自分は、彼にこう質問した。
久米「なぁ、今何時だ?」
肉団子は冷や汗をかきながらこういった。
市田「え……えーと……二十三時です……」
それに対して腰に手を当てて返事する。
久米「そうだな、夜中の十一時だな」
市田「はい」
久米「今のお前の声、どう見ても近所迷惑だよな」
市田「いや~、でもこのマンション防音はきっちりt」
久米「だ・よ・な!」
肉団子に威圧のある目向けて強要を求める。
市田「はい!」
久米「マズイだろ?マズ過ぎるだろ?」
市田「はい」
久米「君がさぁ、熱が入ってこうなるのはわからなくもないよ。
でも、夜中にこの熱烈な愛情を聞くのは、壁殴りモノだよ、君?」
市田「はい」
久米「OK?」
市田「OK!」
そういうと、自分は彼の頭を軽く叩く。
久米「だぁあああ!」
彼はすかさず床に倒れた。
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